困ってる人

困ってるひと

困ってるひと


難病と闘う女子なのに、可愛くほほえましく読めました。

引越しの手続きに区役所の保健課の職員のひとの一言に感動する辺り、彼女の感性がとてもよいなぁと思う。

「今日、とってもお疲れになったでしょう。大変でしたね」

 この職員のお姉さんの、おそらく彼女にとっては何気ないねぎらいの一言に、不覚にも涙が出てきた。

 うん、大変だった。ずっとずっと、大変なことばっかりだった。そしてこれからがたぶん本当に、ずっとずっとずっと大変なのだが。
 でもこの瞬間、病院の外で、すなわち「社会」ではじめて、「がんばってるよ」と、「生きてていいよ」と、誰かに認めてもらえたような気がしたのだ。

大野更紗氏は、障害者とも難病とも何かを括って考えない。

いま、困ってるも、難を抱えた人も、みんな生きてる!ってことがビシバシと伝わってきました。