物語を生きる

潔く柔く 11 (マーガレットコミックス)

潔く柔く 11 (マーガレットコミックス)


高1で事故で亡くなった幼馴染のハル。
彼を好きだった朝美と“その瞬間”に一緒に夏祭りに出かけていた真山とカンナ
2度と取り戻せない高1の夏。


小学校4年生の遠足でいねむり運転の車に轢かれて亡くなった希実。
一緒に巻き込まれながらも、運よく助かった赤沢禄は高校生になって
祖母と暮らす為にまたそこへ戻ってきます。


あとに遺された彼、彼女らの物語。


私の高校生活は3年間の片思いで終わったので
共学高校のこういう恋愛は友達やクラスメートの誰々ちゃんのお話でしたけど
ちょっと悪っちい子がいるぐらいの田舎の高校ののんびりした感が
あーなんか、いいなぁと思えます。


現役高校生が読んだら「ありえーねー」とか言いそうです。
一応、携帯電話も持ってる。制服は腰履きしてる。でも、イジメも援交もない。


子どもの頃は昭和レトロで、学生運動は遠い昔で
経済成長期と共に豊かになってバブルの美味しいトコどりもして30歳ぐらいで平成になった
あんまり苦労せずに大人になった世代はこんな高校生でしたよ。


“たぶん同年代”の作者のいくえみ綾さんの絵柄が昔とほとんど変わらなくて
スイーツ好きを巻末エッセーにも描かれてるんですが
登場人物たちがドーナツを食べてるのが「う、うまそ〜う」
クリスピー・クリーム・ドーナツ?ドーナツ・プラント?そんなん、はじめて知りましたよ。
だって、わたくしのおうちの辺りは
スイーツって西宮、芦屋、六甲にいくらでもあるんですもの、ほほほ…。
(でも、日常に買うのはミスド〜)


最新刊の11巻では映画の宣伝会社で働くカンナと禄の出会いがあって
1巻から少しづつ繋がっていく人間模様が、あ、あの時これだったんだーと
また、何巻目かに戻って読みなおして納得して、進むという読み方になります。
私は、脇役の女子では百花ちゃんが一番好きです。
大親友の百花ちゃんにしか言えないセリフ

カンナは知り合ったオトコみんななぎ倒していくんだもん


遺されたものはどうやって生きていけばいいのか。
カンナは禄に訊きます。

罪悪感はどうやったらなくなるの?

なくなんねーよ
そんなもの
一生抱えて生きていくんだよ
残念だな


連載はまだ、終わっていないのですが
もう、いま、あまりにも好きな漫画なので感想?をUPしました。


これと井上雅彦氏の「リアル」

リアル 9 (ヤングジャンプコミックス)

リアル 9 (ヤングジャンプコミックス)

読み終えたいような終えたくないような〜〜〜〜素晴らしさです。